秋晴れの日にはピアノを

秋晴れの今日は、午前中から井尻の教室で弾き込みをしていて、夕方の早い時間には家路につきました。そういえばニュースでも「秋晴れとなるでしょう」と言っていましたね。秋に晴れている事を日本では秋晴れといって、僕は長袖を来て気持ちよく歩ける天気をイメージする訳だけど、実際は結構暑くないかと思います。iPhoneで現在の福岡の天気情報を調べてみると、気温が29度。湿度45パーセントとあった。この天気はドイツやオランダでは真夏です。半袖Tシャツにサンダルをつっかけて、街角でアイスを食べたい。そんな気候。

秋晴れの日にピアノを弾けば、音は乾いた空気を突き抜けてゆきます。井尻教室の壁はコンクリートの白壁で(古い建物なのでくすんだ部分もある)、湿度が低い秋晴れの時期だけは天窓から差す陽光が白壁を照らし、ピアノの音色はヨーロッパで聴こえた響きのように明るい色彩を帯びるのです。僕は留学を経て多くの事を学んだけれど(たぶん)、中でもヨーロッパ的な響きの感覚を7年に渡って味わった事実は大きいと思っています。響きの概念は日本と西洋では大きく違う。それは言葉によるところだったり、人の気質によるところだったりするのだろうけど、気候は直接的に響きそのものを変える要因です。だから、今日のような日には音から湿っぽさが抜けて、音楽しているなって気になるんですよね。ちなみに、今日は10月のコンサートのプログラムを練習しました。ソロで40分程弾く予定で、かなりの弾き込みが必要なんです。もう、大変です。ピアノの音はよく響いても気持ちは追い立てられて、吐きそうです。オエ。