ソルフェージュで身に付く音楽の基礎力

6月にはヴァイオリンを習っている中高生二人がソルフェージュのレッスンを受けに来てくれました。ヴァイオリン歴が豊富な2人だったので、リズム練習や音楽理論の話を手短かにして、残りの殆どの時間を聴音(音楽を書き取る練習)に費やしました。2時間に及ぶけっこうタフなレッスンです。聴音は楽器を弾くのとは違う神経を使うから、2人とも「頭痛い」と途中で音をあげそうになりながらも頑張っていました。慣れるまでは大変なんですよね。でも、音を聴くのは楽しい事です。若いうちは1回目よりは2回目というように上達も早いので、それもまた楽しい。

一般的にピアノを習うといえばどんな事をするかイメージできるけれど、ソルフェージュを習うといってもぴんとこない人が多いと思います。ソルフェージュは「視唱」のことで、譜読みの力をつけることを目的にしています。なので、簡単なメロディーを見て歌ったり、リズムを打ったり、音楽を書き取ることもソルフェージュの一環です。音楽を聴いただけで素早く楽譜におこせるようになれば、読譜力も桁違いに伸びます。そうなれば好きな曲がどんどん弾ける訳です。

日本では「ソルフェージュ=ピアノが長続きした子が専門的に受けるレッスン」だと思われがちで、ピアノの先生でも音大受験する場合にだけ教える方が多いです。本来ソルフェージュは決して難しいことではなくて基本は歌ですから、小さい頃から少しずつ積み重ねるのが理想的なのです。ピアノやヴァイオリンを4~5歳から始める場合にはむしろソルフェージュに重点を置いた方が後伸びすると言われています。最近のピアノ教室ではソルフェージュのレッスンを体系的にする所は少ないですが、30分のピアノレッスンでも取り入れる事は十分可能です。モチコピアノスクールではそろそろ聴音に重点をおいたソルフェージュクラスを作ろうかと考えています。他の楽器の生徒さんも加わってくれたら賑やかになりそうですね。