雨上がりの秋月

今年は紅葉をゆっくりと楽しむ余裕はなく、季節はまるでジェットコースターのように焼き付く猛暑から冬へと一気に駆け下りるようでした。去年の秋などは暇を持て余しふらりと京都へ行った事を思い起こせば、今年は僕自身が幾分忙しくなり、加えて天気も忙しかったために、いつの間にか紅葉を見過ごしていたようです。

 

日曜日は午前中から生憎の雨。正午にレッスンを終えて外に出るとまあまあ雨も上がっています。そこで、朝倉の方へ最晩秋の紅葉を見に出かけました。朝倉市の秋月は紅葉の名所で、一応九州の小京都(福岡の小京都だったかもしれません。)と呼ばれている街です。

 

山のふもとの駐車場から、地元のトラクターおじさんが12名収容の荷台に人を乗せて、曲がりくねった山道を登って城跡まで運んでくれます。まるでタイの山奥の村へと向かうみたいに。さて、紅葉は赤、黄、緑と入り交じった鮮やかな色で、散り去った落ち葉の絨毯もまだ色を残しています。午前の雨のせいで、じめじめ湿った落ち葉をつま先で踏んで歩いて行きます。水たまりに気をつけながら。秋月城内にある神社の木々は、雨上がりの空気を吸い上げるように天高く真っ直ぐに伸びています。垂裕神社という名前で、黒田官兵衛の孫にあたる黒田長興が祭られているとか。さらに城跡を歩いていくと驚きの建物が。こちらは現役の秋月中学校です(写真)。遠くなだらかな山を背景に翼を真っ直ぐに広げた二階建ての木造校舎。素敵な建築物です。小京都、けっこういいですよ。