ベルガマスク組曲より

今朝練習した曲です。大人の生徒さんが今週末に持って来られるので、その予習も兼ねて再び楽譜を開きました。以前ざっと弾いただけで、ちゃんと練習せずにほったらかしになっていたもの。ピアニストとはいっても、舞台で弾くレベルにするには、たった数ページの小品でも大変な労力がかかるのです。だから、手つかずになっている楽譜がどれだけ多い事か。勉強する事は本当にたくさんあります。先生になるという事は、勉強をする機会が増える事でもあります。そして、生徒が成長すればするほど、先生の勉強量は雪だるま式に増えるのです。大変だ。

 

さて、「ベルガマスク組曲」の話に戻ります。ドビュッシーが初期に書いた代表作の一つで、3番目の「月の光」はあまりにも有名。こちらは、みんな大好きな曲なのでアンコールで弾いた事もあります。4曲からなる組曲はどれもキャラクターに富み、親しみ易い内容です。ドビュッシーの作曲技法がまだ定っていないと言われていますが、それでも、素敵な曲です。僕は、若かりしドビュッシーの瑞々しいイマジネーションが好きです。ベルガマスクのプレリュードもまさに、イマジネーションの曲なんですね。べルガマスクの由来は、ドビュッシーが旅したイタリア北部の地方都市ベルガモにあるようです。ミラノから車で一時間程の距離に位置しており、今ではローコストエアラインが乗り入れています。留学時代に降り立ったことがあるのですが、ベルガモの街には見向きもせずに通り過ぎてしまいました。殆どの旅客がミラノに行く際に通り過ぎるベルガモは、ドビュッシーが愛した美しい古都だったのです。景色を思い浮かべながら弾いてみるといいかもしれません。