久しぶりにCDを買いました。モーツァルトのd-mollのコンツェルト(20番)で煮詰まって、ふと誰かの助言が欲しくなったのです。便利なのが良いのか悪いのか、最近はyoutubeで味見をする癖がついてしまい、CDをじっくり聴く機会が減っていました。d-mollのコンツェルトを検索すると、内田光子やアルゲリッチの映像だって観る事ができるんですもの。ところがお二方、究極の演奏をするのだけれど、馴染めない所もあります。内田光子は神経が研ぎ澄まされ過ぎて近寄り難いし(最近はオカルト的に思える)、アルゲリッチのテンションは真似しようもない。
CDショップで探してみると、グルダのモーツァルトが目にとまりました。オーケストラはアバド指揮のウィーンフィル。これは聴いてみよう。やや落ち着いた感じで始まり、「マイルドな解釈だな」と思っていると、中盤がらグイグイ迫って来ます。目立った事はやっていないのに、最後まで凄い緊張感。音色はグルダのイメージとは違って、なんと清潔で綺麗なこと。抜群に安定したテンポに加え、淀みない音楽の流れ。そして感情の焦点がぴしゃりと合っています。久しぶりの買い物は大当たりでした。
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