友人の結婚式で東京に行った帰りに、新しくなった歌舞伎座へ行きました。幕見券売り場には、販売開始の1時間前で30人程の列が出来ていました。チケット待ち用の長椅子(団子屋にありそうな)には残り1,5人分程のスペースがあります。初夏の午前は清々しく、運良くイスも空いているので気長に待つ事にしました。パリのオペラ座みたいな感じで、東京の名所らしくなっていますね。真新しい白壁と朱色が鮮やかです。演目は「鶴亀」と「寺子屋」。といっても、初歌舞伎座です。勘三郎、団十朗両氏の死去、歌舞伎座オープンくらいのニュースは追っているものの、歌舞伎については全く知りません。この日は、とりあえず数行のあらすじを読んで、何となく観劇していました。「鶴亀」の能の舞を綺麗な形だな、とうっとり見ているうちに、不覚にもそのまま眠くなってしまいました。前夜の宴の余韻も残っています。そして、音楽が眠気を誘って心地いいこと。「寺子屋」は、何やら物凄く深そうな心理描写だというのは分かりました。忠義に変えて我が子を差し出す松王丸を演じるのは松本幸四郎さん。保険のCMで「我々は悲しいから踊るんです。〜中略。悲しみを希望に変えて差し上げる。それが我々俳優の仕事だぁ...と思うんですね」と言っていました。きっとそうなのだろう。
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