ピアノのレッスンを始めるのは早い方がいいと半ば常識のようになっています。「何歳から始められますか?」「今からじゃ遅いですか?」よくこんな質問をされるのですが、「早い方がいいけれども、いつ始めても遅いという事はないですよ。」いつもそんな風に返しています。大人初心者からスタートして半年程レッスンに通われている女性で、最近は易しいポピュラーな曲をなかなかスムーズに弾く方がいます。僕自身この進歩には驚きなのですが、意外と何歳からでも上達するものです。次の目標は「ムーン・リバー」。雰囲気が出るといいですね。
「脳の学習力」という脳科学の本には、脳の変化は急速に起きるとあります。何年も厳しい訓練を積み重ねた音楽家の脳が変化しているのは想像できますが、ピアノを弾いた事がない成人が5日間にわたって1日2時間ピアノの練習をしただけで両側の脳に多大な変化が起きるそうです。変化する部位は音を処理する部分の聴覚野、それから運動機能の制御や感覚の処理を司る皮質。これがヴァイオリンだと左手の指先に多く刺激が加わるため、右側の脳の聴覚野及び感覚運動皮質だけが拡大、変化するらしい。そしてもうひとつ見逃せないのは、筋トレなどと同様に、練習を続けなければせっかく鍛えた脳も急速に衰退するそうです。続けるのが大切ですね。練習しましょう。「ピアニストを科学する」という本は結構売れているみたい。ピアノと脳科学を繋げて、面白く紹介してあります。
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