昨日は「日時計の丘」ホールでのコンサートでした。このホールには知る人ぞ知るブルートナー製のピアノがあり、音色がとても良いので楽しみにしていました。住宅地の丘からの眺め、庭の楠がザワザワ揺れる緑の音、絵画コレクションなど、街中のコンサートホールで身構えて聴くコンサートとは違った、出かける楽しみもあってか、たくさんのお客さんに喜んで頂けたようです。肝心の演奏は冷静な診断の余地が多いに残る内容でしたが、ひとつ良かった点は、会場の「よい雰囲気」をいくらか背中に感じたことかもしれません。「日時計の丘」は初めて訪れるには少し不便で分かりにくい場所にあります。ところがそれが逆に良い方に作用すれば、音楽を聴きに小高い丘に登って行こうとするちょっとした意思と(車で登ればなんてことはない)、その意思を迎え入れる開放的で穏やかな空間がちょうどよく、そこに調和のとれた時間が流れているように思います。音楽を聴くゆとりが生まれる、意外にありそうでないホールですね。今年はバッハ連続演奏会など、コンサートが企画されているので、是非お越し下さい。演奏後の写真です。ピアノには天窓から自然光が差し込んでいます。
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